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ワクチンのはなし
五種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチン
2024/10/10

 五種混合ワクチンは、ジフテリア(Diphtheria)、百日咳(Pertussis)、破傷風(Tetanus)、不活化ポリオ(inactivated poliovirus vaccine)とインフルエンザ菌b型(Hib)の5種類が入った混合ワクチンです。2024(令和6)年4月から定期接種に導入されました。それまでの四種混合(DPT-IPV)ワクチンとインフルエンザ菌b型(Hibヒブ)ワクチンが混合されたものです。

  ここで、四種混合に追加されたヒブワクチンについて説明しておきます。ヒブ(Hib)とはヘモフィルス・インフルエンザ菌(Hi)b型の略称です。冬に流行するインフルエンザは、同じ名前ですがウイルスによるもので、まったく別の病気です。ヒブワクチンは日本では2008年12月から任意で接種ができるようになり、2013年4月から定期接種になりました。

  では、ヒブワクチンがどうして必要なのでしょうか?ヒブが原因で発症する感染症は、乳幼児にとっては重症で命をおとす危険性があるからです。病気としては、髄膜炎、喉頭蓋炎、肺炎、敗血症など重篤な感染症です。ほとんどが5歳未満で発症します。ヒブワクチンの接種開始以前は日本では年間約600人のお子さんがヒブによる髄膜炎にかかっていました。そのうち約3割のお子さんに難聴や神経学的後遺症(けいれん、発達の遅れ)が残ったり、あるいは亡くなったりすることもあるこわい病気です。欧米では以前よりヒブワクチンが接種されており、ヒブによる乳幼児の重い感染症は激減し、今ではまれな病気になっています。同様に、日本でもヒブワクチンの接種開始後の全国調査(10道県サーベイランス)では、2014年と2015年はヒブによる髄膜炎の報告はゼロになり、著減しています。あっという間に驚くべき効果がありました。

  接種スケジュールですが、生後2か月になったらすぐに開始して、1期として3~8週間の間隔で3回受けて、さらに1年~1年半後に追加接種で1回受けます。この時期は肺炎球菌、ロタウイルス、B型肝炎の接種もあるので同時接種がお勧めです。副反応としては、注射部位の発赤、腫れ、硬結がみられることがあります。

  また、ジフテリアと破傷風については追加のワクチンが必要です。11~12歳で二種混合(DT)ワクチンの定期接種があります。お子さんが小学校5年生になったら忘れないようにしてください。

 

 

 

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