かわかみ整形外科・小児科クリニック |小児科サイト

整形外科サイトはコチラ

小児科医の豆知識

  • カレンダー・診療時間
  • アクセス
  • 採用情報
  • 病気のお話
  • 育児のお話
免疫・アレルギーの病気
気管支喘息
2017/10/02

 小児の気管支喘息はアレルギーの関与が大きいといわれています。症状は発作性の呼吸困難でゼイゼイ、ヒューヒューと音が聴こえてきます。

 乳児期にかぜをひいたときに、胸からゼイゼイと音が聴こえてくることがあります。「喘息」だったらどうしようと不安な気持ちで医師にかかり、「喘息様気管支炎」と診断されることがあると思います。お子さんに初めて軽くゼイゼイがあるときに「喘息」と診断できる場合と、確定診断できない場合があります。診断できない場合にはとりあえず、「喘息様気管支炎」の病名をつけています。喘息様気管支炎は、実際に喘息にはならない場合もあります。しかし、同じようなことを何度も繰り返し、気管支拡張剤で症状が良くなる場合は「乳児喘息」と診断します。

 大体1~3歳までに「喘息」と診断されるお子さんが多いと思います。喘息では気道に慢性の炎症があります。従って治療の基本はこの炎症を抑える薬を使用します。最近は吸入ステロイド薬が治療の中心です。ステロイド薬といえば「こわい薬」と嫌われた時期もありましたが、吸入薬では内服薬や注射薬のように副作用の心配はありません。以前よく使用されていたテオフィリン製剤は、乳幼児が発熱した時にはけいれんをおこしやすくするので、使用されることが少なくなってきています。また、予防薬としてロイコトリエン受容体拮抗薬が出てきて、長期のコントロールに効果をあげています。

 小児の喘息の治療は重症度にあわせて細かい治療ステップが確立されてきています。以前と比べると喘息発作で入院するお子さんはかなり減ってきており、夜間の軽い発作には自宅での吸入療法で改善する場合も多くなっています。

 喘息の発症にはアレルゲンが関係していますので、薬の治療だけでなくアレルゲン(ダニ、ペット、食物など)の除去や受動喫煙させないように家庭環境の改善にも気を配ってください。

 「喘息」と診断され、しばらくは薬を続けるように言われたら、自分の判断で中止しないようにしましょう。発作のないときも炎症に対する薬の治療は大切です。薬をのむことに不安を感じて、次々と多くの小児科医にお子さんを見せて、微妙な説明の違いにさらに悩むようなことは感心しません。不安なことがあれば、治療をうけている先生にまず相談してみましょう。

関連記事