「出べそ」は医学的には臍ヘルニアと呼んでいます。
出生後に、普通はへその緒がとれておへそのところの臍輪という穴が閉じてきます。この穴が閉じるのが遅い場合に、泣いたり、いきんだりすると腹圧がかかりお腹の中の腸がとび出てきて「出べそ」の状態になります。触るとグジュグジュとした感じがします。頻度は多く、約20人に1人くらいに見られます。
生後2~4週くらいでおへそがふくらんできて、だんだん大きくなってきます。生後4~5か月くらいで一番大きくなって、ピンポン玉くらいになることもあります。その後はだんだん小さくなってきます。ほとんどの場合、1歳くらいまでには自然に治ってきますので、従来はそのまま様子をみていました。
しかし、近年は臍の圧迫療法が積極的に行われています。「出べそ」の状態から腸管を元に戻して、臍を綿球かスポンジで適切に圧迫し、かぶれにくい防水フィルムで固定します。腸管の脱出を防ぐため、ヘルニア門の早期の閉鎖が期待できます。圧迫療法をすると、「出べそ」が大きくならないため、皮膚のたるみも目立つことなくきれいに治ります。
2歳を過ぎても治らない場合には手術をします。また、出べそがあまりに大きかった時に、治ったあとの皮膚がたるんでおへその格好がわるいときは手術をしてきれいにすることもあります。
お子さんのおへそが「出べそ」気味でご心配な方は、かかりつけの小児科でちょっと相談してみてください。