ロタウイルスワクチンは、2004年にメキシコで初めて接種が開始されてから、次々と世界各国で承認され、日本でも2011年秋から使用できるようになりました。
ロタウイルス胃腸炎は、5歳までにほとんどの乳幼児が感染します。日本では、毎年120万人がかかり、10人くらいが命をおとしています。主な症状は、白色の水様性下痢、嘔吐、発熱で、高度の脱水症になることもあります。また、まれにけいれん、脳症など重篤な合併症を起こすことがあります。
ロタウイルスは初めての感染の時に症状が重篤になります。感染を繰り返して免疫力がついてくると、次の感染の時には軽い症状で治ります。従って、ワクチン接種の目的は、初めて感染する前にあらかじめ免疫力をつけておいて、重症化するのを予防することです。
ロタウイルスワクチンは生ワクチンで経口的に接種します。1価と5価の2種類のワクチンがあり、接種時期がそれぞれ決められています。1価ワクチンは生後6週から24週にかけて4週間以上の間隔をあけて2回受けます。5価ワクチンは生後6週から32週にかけて4週以上の間隔をあけて3回受けます。
ロタウイルスワクチンの副反応として、初回接種時に腸重積症のリスクが増加すると海外で報告されました。腸重積症は乳児後期に発症の頻度が高いので、初回接種は15週未満で受けるようにいわれています。一番のお勧めの接種時期は、生後8週で五種混合や肺炎球菌ワクチンを開始するときに同時にするのがいいと思います。
この時期に接種が勧められる他のワクチンには、五種混合、肺炎球菌、B型肝炎、BCGなど数多くあります。短期間のうちにこのように多くのワクチンを受けるためには、1種類ずつ順番に受けていては、適切な接種の時期を逃してしまいがちになります。ぜひ、体調のいい時に複数のワクチンの同時接種をして、ワクチンで予防できる病気からお子さんを守ってあげて下さい。