
川崎病は主に4歳以下の乳幼児に発症する病気で、全身の血管に炎症が起こります。1967年に初めて報告されてから半世紀以上が過ぎましたが、まだ原因はわかっていません。何らかの感染(ウイルス?細菌?)をきっかけとして、遺伝的素因も関与し、免疫反応により発症すると考えられています。全国調査によると患者数は年間1万数千人くらいだったのが、2020~2022年のコロナ禍では約1万人位に減少しました。その後、2023年からは1万数千人が報告されています。1歳児が一番多く、4歳児くらいまでに好発しますが、5~10歳での発症も全体の十数%を占めています。
症状は特徴的で、以下のように6つの主要な症状がみられます。
急性期:手足がテカテカに腫れて赤い
回復期:指先からの膜様落屑
⑥首のリンパ節の腫れ
この6つの主要な症状のうち5つ以上がそろえば川崎病と診断します。これらの症状のいくつかが同時に出ることもありますが、初発症状の多くは発熱です。発熱のみでは診断は困難ですが、翌日か2~3日して、唇が赤くなったり、発疹が出てくると川崎病の疑いが出てきます。BCG接種痕の発赤はかなり特徴的な所見なので、川崎病を疑ったときは必ずBCG接種部位をみるようにしています。
川崎病と診断された時、あるいは疑いのある場合は、入院して血液検査や心臓のエコー検査などをします。治療は免疫グロブリンという血液製剤の大量点滴投与、アスピリンの内服などを行います。その他にステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤などが、病状に合わせて選択されます。
この病気の経過で重要なのが、心臓の筋肉に酸素を送る冠動脈に炎症が起きて、拡張や瘤(コブのようなふくらみ)を合併してくることです。免疫グロブリンの治療が行われなかった時代には、冠動脈病変は25~30%に合併していました。現在は早い時期に診断がなされ、早期の治療開始で免疫グロブリンの大量療法が行われるようになってから、頻度は3~5%と著しく減ってきました。冠動脈病変を合併した場合は、将来の虚血性心疾患の予防のため、定期的な経過観察が必要になります。
また、覚えておいてほしいことがあります。回復したあとの生ワクチン(麻しん・風しん、おたふくかぜ、水痘など)の予防接種は6か月以上あけて受けるようにして下さい。大量に免疫グロブリンを投与されていますので、ワクチンを受けてもグロブリンの中の抗体で中和されて、予防接種の効果がなくなります。BCGと不活化ワクチン(五種混合、肺炎球菌、インフルエンザなど)はグロブリンの影響を受けないので、2~3か月くらい経ったら受けてもいいと考えられています。よく主治医と相談してください。

