赤ちゃんのほほの内側の口腔内の粘膜、くちびるの裏側そして舌に斑点状の白い苔がつきます。ちょっと見ただけでは、乳カスのようですが、拭いてもとれません。これを「がこうそう」といいます。かび(医学的には真菌といいます)の一種であるカンジダの感染が原因です。
「かびが口のなかについた!」と驚くお母さんもおられますが、カンジダは常在菌といって普通に一般の人の口の中や皮膚にもいますので心配は無用です。実際のところ赤ちゃんは産まれる時におかあさんの産道からカンジダに感染することが多いようです。
「がこうそう」は元気な赤ちゃんに時々みられます。乳カスに似ているので健診のときまで気づいていないおかあさんもおられます。心配はない病気ですが、抗生物質を長期間内服した場合やかぜをひいて免疫力がおちた時に出てくることもあります。
痛くもかゆくもありません。軽いときはそのままでも自然に治ります。たくさんついているようでしたら、病院でカンジダに効くシロップ剤や塗り薬を処方してもらってください。カンジダはおかあさんの乳首にも生息していることもありますので、授乳の前後ではよく拭いて下さい。また、赤ちゃんが口にする哺乳瓶やおもちゃにもついているかもしれないので熱湯消毒をするようにしましょう。
きちんとくすりをつければ、1週間くらいで治ります。何回も再発することもありますが、1歳を過ぎる頃には少なくなります。
治療してもなかなか治らない時はごくまれに免疫系の病気があることも考えられます。病院を受診し詳しい検査を受けて下さい。