乳幼児はよくころんで、頭をぶつけます。「椅子から落ちて・・」「テーブルの角にぶつかって・・」「ベットから落ちて・・」などなど。小児科の外来にも、かなりの頻度で頭を打撲したと来院されます。ほとんどの場合は大丈夫ですが、まれには時間がたってから症状がでることがありますので注意が必要です。
まず、頭をぶつけた時に大声で泣けば、意識はしっかりしているということで、とりあえずは安心です。その後、特に変わった様子もなく元気に遊び始めたら、病院に連れていくかどうかで迷うことがあると思います。
打撲したところに外傷があり出血している場合は、ガーゼやタオルで圧迫して外科、脳外科を受診して下さい。傷に砂や泥がついていたら、出来るだけ流水で洗ってから行きましょう。傷が深い時は縫合することもあります。傷はなくタンコブができていたら、30分くらいは冷やして下さい。
頭をぶつけた時に1~2回の嘔吐があったものの、その後、顔色もよく元気で遊ぶときは、そのまま様子をみていいと思います。すぐに病院でCT検査をしても異常はみつからないことが多くあります。頭の中でわずかずつ出血しているときは、時間が経つと血腫がだんだんと大きくなって脳を圧迫してきます。そうなると、嘔吐や頭痛が出現したり、ボーッとしてきます。このような症状が出てきたらすぐに脳外科を受診してください。打撲したあと大体24時間過ぎても症状がなければ、頭の中での出血の可能性は低くなりますので、丸一日は厳重に注意し、必ずそばにいて下さい。その日は念のためお風呂に入るのは避けておきましょう。
打撲後に次のような症状がでた場合は大至急脳外科のある病院を受診してください。
また、打撲の程度と病状はあまり一致しません。頭を固いものに強くぶつけて、大きなタンブができた時にはよく心配されますが、意外と大丈夫なことが多いです。むしろ、柔らかい布団や畳の上で軽くころんだ時にも脳の中で出血をすることがありますので、注意が要ります。
一人歩きを始めると子どもはしょっちゅうころんでしまいます。あまり神経質になってもいけませんが、階段や玄関やベランダには気を配ってほしいと思います。歩行器も危ないのでお薦めしません。また、ベビーベッドの柵は少しの時間でも離れる際には上げることを習慣にしておきましょう。