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ウイルス感染による病気
神経・筋の病気
日本脳炎
2017/11/21

 日本脳炎ウイルスが脳に感染しておこる病気です。突然の高熱、頭痛で始まります。小児では腹痛、下痢などの消化器症状がある場合もあります。進行すると意識障害やけいれんや麻痺が出てきて昏睡状態になり命を落とします。

 日本脳炎ウイルスに感染しても大部分の人は発症しません。発症するのは100人から1000人に一人といわれています。発症しない人のほうが多いのですが、脳炎になってしまうととても恐ろしい感染症です。脳炎にかかった人の約1/3が死亡し、約1/3に精神障害・運動障害などの重い後遺症が残ります。

 日本脳炎は蚊(コガタアカイエカ)に刺されることによって起こります。ヒトからヒトにはうつりません。日本脳炎ウイルスに感染した豚を吸血した蚊がウイルスの運び屋になっています。コガタアカイエカは水田地方でよく繁殖します。こういう場所で豚の飼育が行われていますと、日本脳炎にかかる可能性が出てきます。国内での豚や蚊を調査した報告では、西日本を中心にウイルスが活動しています。なんと豚の半分くらいに感染が認められています。

 蚊に刺されなければ日本脳炎になりませんが、これは困難なことです。確実な予防はワクチン接種です。現在の日本では、年間の患者数はわずか約10名くらいですが、1960年代では年間1000名以上の報告がありました。1970年以降はワクチンの普及で患者数は激減しています。

 ワクチンは3歳になったら初回の2回(1~4週間間隔で)を接種して、約1年後に追加接種を1回受けます。9歳になれば2期として1回接種します。合計4回の接種が定期接種となっています。