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細菌・寄生虫による病気
皮膚の病気
アタマジラミ
2017/11/21

 アタマジラミは頭髪に寄生し、頭皮から吸血します。寄生数が増えてくると、吸血された頭皮がかゆくなりますが、特にアタマジラミが媒介する病気はありません。成虫は2~3mmの大きさで、一日に5~6個の卵を産んで、約1か月生きています。卵は髪の毛の根元の方に産みつけます。白い楕円形で、ヘアーキャストと似ていますが、毛にしっかりと固着していますので、すぐに卵だとわかります。卵は1週間くらいで幼虫になります。幼虫も吸血し、10日間くらいで成虫になっていきます。

 「シラミ」ときくと不潔な印象がありますが、衛生状態の良い先進国でも子どもへの寄生がよくみられます。不潔が原因でかかるのではありません。

 直接接触で成虫が子どもの頭髪から、別の子どもの頭髪へと感染していきます。遊ぶときにからだを寄せあうことの多い小学校の低学年や、集団で昼寝をする保育園で感染が多くみられます。ノミのように飛び跳ねて伝染することはありませんが、頭髪から落ちたシラミの成虫は3日間くらいは生きていますので、帽子や枕やブラシなどを介してうつることもあります。

 お子さんが頭をかゆがっている時には、髪の毛をよく観察して下さい。かゆがっている場所や耳の後ろから後頭部にかけて髪の根元をチェックしてみましょう。虫体が見つからなくても、髪の毛に卵を見つけたら、アタマジラミがいるということです。

 さて、駆除する方法です。髪の毛を全部切ってしまえば簡単ですが、そういうわけにはいきませんので、まずは、大人が毎日しっかりと洗髪をして下さい。虫体は洗い流すことができます。次に梳き櫛で髪を小分けにして丁寧に根元から先までとかして、虫体や卵を取り除くようにしましょう。

 また、薬局で駆除する薬(スミスリンパウダー、シャンプー)が販売されていますので、これを使用して成虫・幼虫を駆除してみるのがいいと思います。1回の使用でほとんどの成虫・幼虫を取り除くことができます。ただし、卵には効果がないので、卵の孵化期間を考慮して、3~4回使用するようになると思います。

 孵化前の生きた卵は髪の根元の方にあります。梳き櫛で取り除きにくい時には、卵のついた髪の毛を1本ずつ切り取るのが、確実な方法と思います。

 家族にも感染するので、くし、ブラシ、タオルは共有しないようにして下さい。シーツや枕カバーにはアタマジラミが落ちるので、1週間くらいは毎日交換し、床にも掃除機をかけるようにしましょう。洗濯前に60℃以上のお湯に5分つければ、付着した虫体や卵は死滅します。

 保育園や小学校の同じクラスで何人かにアタマジラミが見つかって、騒ぎになることがあります。アタマジラミのいるお子さんも誰かからうつったわけで、決して不潔なことが原因ではありません。仲間はずれやいじめの対象にならないように周囲の大人は配慮しましょう。

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