Q. 7歳の息子が雲梯(うんてい)から落ちて、右腕を痛がります。
右前腕に変形があるようです。(30歳母親)
A. 前腕には2本の骨(橈骨と尺骨)があります。近位の橈尺関節で肘関節に、遠位の橈尺関節で手関節に連結しています。この2本は、捻り合うことで手掌を上に向ける回外動作と手掌を下に向ける回内動作を行います。
その1本に骨折を生じると、短縮・曲がり・捻れの変形を来すとともに近位または遠位の橈尺関節の脱臼を合併することがあります。骨折を評価するために左右のレントゲン写真を撮影して比較する必要があります。小児の骨折は竹の節のような若木骨折が多いのですが、レントゲンで骨折部がわからない弯曲した骨折も起こります(急性塑性変形)。
治療は変形や可動域(動く範囲)の制限を残さないことが肝要です。手関節と肘関節の可動域はもちろんですが、回外・回内動作に制限があるかどうかを慎重に把握します。脱臼を伴わない症例では、局所麻酔を行って変形を徒手整復します。脱臼を伴う症例では全身麻酔下での整復を行うので入院が必要です。整復後は上腕から手までのギブス固定を行います。回外制限があれば回外位で固定するというテクニックが必要になります。