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MRI

脊椎、四肢および全身の関節の病変を明瞭に描出し詳細な診断ができます
外傷、関節炎やリウマチなどの炎症性疾患、加齢による軟骨などの変性疾患そして腫瘍性疾患において、
MRIは有力な情報を与えてくれます。MRIの信号情報を患者さんと医師が
共有して理解することにより、病状のストーリーが具体的に再現できるようになりました。
当院では、痛みで困って受診される患者さんでは、可能な限りその日のうちに撮影したいと思っています。
※予約の混み具合等から、申し訳ございませんが、翌日以降に撮影する場合もございます。

MRIでの検出・判定

脊椎の痛み

  • 骨粗鬆症による圧迫骨折
    骨粗鬆症のある高齢者では転倒による背骨の圧迫骨折が有名ですが、孫を抱いたとか、咳を繰り返したなど軽微な負荷で骨折してしまいます。背骨の骨折を繰り返すと『寝たきり』の原因になります。レントゲン検査では検出できない骨折が多いため診断が遅れがちになります。
    MRIでの検出・判定
    起き上がる動作や寝返る動作ができなくなり前屈みが痛くてできなくなった高齢者では、MRI検査で高率に圧迫骨折を検出できます。早期に診断して早期に治療を開始できます。また、骨折の初期と骨癒合後の区別ができますので、多発性の圧迫骨折の場合、痛みの原因となっている病巣がわかります。
  • スポーツ選手疲労骨折である腰椎分離症
    成長期(小学校高学年から中学・高校生まで)のスポーツ選手が長引く腰痛を訴える場合には腰椎分離症を疑います。スポーツ活動に伴う腰部への過剰な負荷が原因の疲労骨折です。MRIがなかった過去には疲労骨折の診断が困難であったため、レントゲン検査で骨折線が“分離”して観察されたため分離症と診断されていました。レントゲンで診断されてから治療を開始しても骨癒合する確率は非常に低くなります。
    MRIでの検出・判定
    腰椎分離症は早期発見・早期治療により最大の治療成績が得られます。中高校生のスポーツ選手で、安静で軽快しない腰痛、腰を反らす動作で誘発される腰痛があれば、早期にMRI検査を行うことで相当の確率で疲労骨折が検出できます。レントゲン検査で骨折が見つからない時期にMRIで発見することが大切です。
  • 椎間板ヘルニア(頚椎・腰椎)
    頚髄から上肢に向かう神経根と腰髄膨大部から馬尾神経を介して下肢に向かう神経根は、椎間板レベルで生じたヘルニアによって圧迫されると炎症を来して、上肢または下肢へ強い放散痛が出現します。
    MRIでの検出・判定
    上肢や背部に放散する強い痛み、下肢に放散する強い痛みがあれば、椎間板ヘルニア(頚椎・腰椎)を疑ってMRI検査を行います。椎間板ヘルニアはレントゲン検査では検出できませんが、MRIでは容易に検出できます。確定診断やヘルニアの高位診断の一助になるので有用性が高い検査です。
  • 腰部脊柱管狭窄症
    間欠性跛行や下肢症状(痛み・しびれ感)を訴える患者さんでは、閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症の可能性があります。両者は治療方法が異なりますので鑑別診断が必要です。
    MRIでの検出・判定
    上記の症状にレントゲン検査で腰椎の変形・変性すべり等の所見を伴っている場合に、MRI検査で腰部脊柱管狭窄症の所見が高率に得られています。
その他の検出
判定ができる症状
・変性疾患(頚椎症、椎間板変性症、変形性腰椎症)    ・腫瘍性疾患
・炎症性疾患(化膿性、リウマチ性)
四肢および全身の関節の痛み
  • 骨挫傷(膝脛骨・足脛骨、上腕骨大結節部、尺骨中枢端、橈骨末端、舟状骨など)
    打撲などの外傷後にレントゲン検査で骨折が見つからないが痛みが強く、痛みと腫れが長引く場合などでは骨内に微小の骨折を来していることがあります。後になってレントゲン写真で仮骨が出現すると骨折が明らかになります。外傷早期のレントゲン検査では限界があります。
    MRIでの検出・判定
    MRI検査では外傷早期の骨変化が把握できますので、骨折または骨挫傷を疑ったらMRIを早期に行うことで病変が検出されることが多くあります。
  • 脆弱性骨折・疲労骨折
    高齢者では、比較的長距離歩いてから膝が痛いとか、しゃがみ仕事を続けていて股関節が痛くなったなど、外力が少なくても発生する脆弱性骨折(前者は脛骨内顆部、後者は恥骨または大腿骨頚部)が起こります。このような場合にはレントゲン検査では骨折は検出できません。スポーツ活動を行う若年者でも、大腿骨・脛骨・中足骨・舟状骨部に痛みが出現してもレントゲン検査では早期の疲労骨折は検出できません。
    MRIでの検出・判定
    痛みが強いのにレントゲン検査ではわからない高齢者の脆弱性骨折もMRI検査であれば検出できます。若年者で疲労骨折を疑う場合も疲労骨折の有無を診断できます。
  • 靱帯断裂の診断(膝関節の外傷)
    例えば膝関節で、外傷後に腫脹が強い場合や膝関節内に血腫が存在する場合、荷重しようとしても体重が支えられない場合など、レントゲン検査では明らかな骨折の有無程度の診断が限界です。ストレスレントゲンでも断裂部位や複合靱帯断裂の診断はできません。
    MRIでの検出・判定
    MRI検査を行うことで靱帯断裂の有無・程度、半月板断裂の合併の有無、レントゲンでは診断できなかった骨折の診断、血腫の程度などもトータルに評価できます。特に膝関節の外傷では、複合靱帯断裂の診断には必須の検査です。内側側副靱帯断裂のみの損傷では保存的治療が主として選択されますが、十字靱帯断裂や半月板断裂を伴っている場合には手術的治療が必要になります。手術適応の判定にもMRI検査は不可欠です。また、外傷では軟骨下骨をよく観察して骨折・骨挫傷の検出にも努めるべきと思っています。
  • 離断性骨軟骨炎(膝・肘・距骨)
    成長期に起こる骨端症のうち、未熟な骨軟骨に繰り返し剪断外力が加わって軟骨下骨に血行障害を来すのが離断性骨軟骨炎(膝・肘・距骨)です。10歳代の野球をする男の子で肘の痛みと可動域制限を来す肘関節離断性骨軟骨炎が代表的です。早期にはレントゲン検査で診断することが困難です。
    MRIでの検出・判定
    軟骨下骨の病変である成長期の離断性骨軟骨炎は早期発見のためMRI検査を行うことが必要です。病変部の拡がりを把握したら直ちに負荷となるスポーツ活動を中止する必要があります。MRIを行うことで早期に保存的治療を開始できますし、骨組織の再生と修復の過程をMRIで経過観察できます。
  • 変形性膝関節症
    変形性膝関節症では、膝の内側の関節軟骨が摩耗し、骨棘形成と内反変形、可動域制限を来します。荷重時の関節内側の痛みと関節液の貯留によるこわばり感、しゃがみ込み動作、歩行や階段昇降などに支障が出てきます。
    MRIでの検出・判定
    変形性膝関節症では、痛みが激しい場合や関節液が大量に貯留する場合にMRI検査で骨壊死が認められることが多くあります。骨壊死部の拡がりを把握できるのはMRIだけです。病巣部の自然経過と手術適応の判断に必須です。キリッとした痛みが続くときには半月板断裂を伴っていることもあります。半月板病変は理学所見で疑うことができますが、MRI画像を吟味してから関節鏡の適応を考えるべきと思います。
  • 股関節痛(変形性股関節症・骨頭壊死・脆弱性骨折・股関節炎・腫瘍など)
    股関節痛がある場合に、変形性股関節症・骨頭壊死・脆弱性骨折・股関節炎・腫瘍などを疑います。痛みが強く、可動域制限があり、レントゲン検査では異常がない場合にはMRIによる精査が必要です。
    MRIでの検出・判定
    MRI検査で関節液の貯留、骨頭壊死や脆弱性骨折などの骨内病変、股関節周囲の筋群の左右差、骨盤内腫瘍の有無などが評価できます。変形性股関節症、骨頭壊死では病期の進行度の判定、脆弱性骨折では回復過程も把握できます。
  • 肩関節痛
    肩関節における代表的な疾患に腱板断裂があります。棘上筋テストで痛みや筋力低下があり、インピンジメント徴候があれば腱板断裂を疑いますが、レントゲン検査では多くは有意な所見はなく、腱板断裂が大断裂~広範囲断裂になった場合に上腕骨頭と肩峰との間が狭小化する所見が出てきます。他にレントゲンで診断評価できるのは変形性変化と石灰沈着です。
    MRIでの検出・判定
    肩関節では全ての大きさの腱板断裂の診断に有用です。エコーでも診断できますが、断裂部の3次元的な把握はMRIの方が優れていると思います。断裂部位の大きさと棘上筋の筋萎縮の程度も評価できます。筋萎縮が進行していれば筋力の回復も時間がかかると予後も推測できます。炎症が強い場合には関節液の貯留も認めることができます。
  • 化膿性疾患・腫瘍性疾患
    エコー検査やレントゲン検査では、全体像を評価することができません。レントゲンは骨病変のみの評価だけですので軟部組織の評価は不可能です。軟部組織のエコーでは再現性が疑わしいことがあります。
    MRIでの検出・判定
    MRI検査により化膿性膝関節炎や指の化膿性腱鞘炎の炎症の拡がりが分かりますので術前プランニングに役立ちます。また腫瘍性疾患では、良性悪性の鑑別診断、腫瘍の3次元的な局在の把握にMRIは必須です。

院長より

私はレントゲンとCT検査だけしか画像診断がなかった時代に医師になりました。両者ともに被爆という問題があります。30年前のMRIの出現によって整形外科領域の診療も激変しました。MRIは軟部組織だけでなく骨組織の内部も評価でき、血腫の吸収、骨癒合の経過など病態の時間的経過までわかるようになっています。
超音波エコーも解像度が良くなり格段に進化してきています。エコーは動画で評価できるという最大の長所もありますが、いつ何処をどの角度でプローブ走査したかの再現性の問題と全体像の評価に難点があると思います。
患者さんの最善の治療の選択のために、それぞれの長所を活かした画像診断を用いて診療を続けたいと思っています。

その他診断機器

患者さんの痛みの原因を診断するために最新式の検査機器を積極的に導入しています。当院ではエコーガイド(超音波検査動画)に注射する治療や、診断機器としてMRIと骨密度DXM(腰椎・股関節)をそろえ、正確な診断に努めています。