A. ランナーで膝の外側に痛みが出現する場合、ランナー膝(腸脛靱帯炎)を考えます。腸脛靱帯は骨盤の外側の大腿筋膜張筋から連続して大腿部外側を走行し、膝の外側で大腿骨外顆の前方を通って脛骨の外側に停止しています。膝を曲げて30度のところで大腿骨外顆を乗り越える際に摩擦を生じています。ランニングなど荷重しながら膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで炎症が増悪してきます。 特に下り坂を走る、階段昇降するアスリートに発症しやすく、また、路面の断面で中央が凸になった道路の端を走る場合、右端を走ると右膝が内反するので右膝外側の痛みが出やすいと云えます。 上記の痛みを誘発する状況(下り坂、階段、道路端のランニング)を控えるように調整して下さい。痛みが強い場合には、休息が必要です。トレーニングを再開する際には、トレーニングプログラムを見直すことと、大腿部外側面をストレッチすること、ランニング前のウォーミングアップと直後のアイシングを行って下さい。