A. 腰椎椎弓部の疲労骨折を疑う必要があります。例えば、バレーボールのアタッカー、サッカーのヘディング、バスケのリバウンド捕球など腰を反ったり曲げたりする動作を繰り返すことで生じることが多いとされています。中学生、高校生に多く発生します。放置すると、骨折部の骨癒合が得られずに偽関節となって慢性腰痛に至る可能性が高くなります(腰椎分離症)。
スポーツ選手で診察時に腰部を反らして痛みが誘発されるとこの疲労骨折が強く疑われます。レントゲンで骨折線を認めた場合にはすでに進行期であり、骨癒合の成功率は低くなります。早期診断を行うにはMRIが必須です。MRIで椎弓部に信号変化を認めれば診断は容易です。治療ではコルセットを厳重に装着することが大切です。
早期からコルセットを装着すれば骨癒合率は格段に改善しますので、早期診断と早期治療がとても重要である疾患です。