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ワクチンのはなし
小児用肺炎球菌ワクチン
2017/10/03

 小児用肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重症感染症を予防するものですが、2010年2月末より日本でも接種ができるようになりました。

 肺炎球菌はごくありふれた菌で、ふつうに健康なヒトの鼻やのどにいます。菌がからだにいるだけなら問題はありませんが、抵抗力が弱まった時などに病気を引き起こします。特に乳幼児では肺炎球菌に対して免疫がないので、中耳炎、気管支炎、肺炎、菌血症、髄膜炎などの病気になりやすく、インフルエンザ菌と並んで小児の細菌感染症の代表的な原因菌になっています。

 この中でも特に細菌性髄膜炎は重篤な病気です。ワクチン導入前は日本では年間に約200名の子どもが発症し、予後が悪く約10%が亡くなり、30~40%の子どもには重い後遺症(水頭症、てんかん、難聴など)が残っていました。症状は発熱、嘔吐、けいれんなどです。発熱だけのこともあり最初は「かぜでしょう」と診断されることもよくあります。電撃型髄膜炎と言われるタイプでは発症して1日以内に亡くなることもあります。最初の診察では確定診断が困難で、あっという間に悪化していくおそろしい病気です。

 また、肺炎球菌は中耳炎の主な原因菌です。乳幼児では耳管を通して鼻の奥の細菌が中耳に感染しやすい特徴があります。カゼをひいて鼻汁が出るとすぐに中耳炎を起こすお子さんも多くみられます。抗生剤が効きにくい肺炎球菌(耐性菌)も増えて、治療が難渋する中耳炎が問題になっています。このワクチンは肺炎球菌による中耳炎の予防にも効果があります。保育園などの集団生活に入る前に接種をすませておいて、難治性中耳炎にかからないようにしておきたいものです。

 2013年4月から日本でも定期接種に導入され、2014年からは肺炎球菌による髄膜炎の発生が70%以上減少しており、ワクチンの効果は絶大です。

 接種対象は生後2か月以上~5歳未満です。接種のスケジュールですが、接種開始の年齢によって受ける回数が違います。生後2か月~7か月未満では、4週間以上の間隔で3回受けて、3回目から60日間以上あけて1歳以降に1回の追加接種をします。合計4回受けます。生後7か月~12か月未満で開始するときは4週間以上の間隔をあけて2回受けて、2回目から60日以上あけて1歳以降に1回の追加接種をします。合計3回です。1~2歳未満で開始するときは、60日間以上の間隔で2回の接種です。2~5歳未満では、1回の接種のみです。このように接種開始の年齢によって接種回数は1~4回と違うので、接種開始が遅れたら、かかりつけの小児科で相談してください。お勧めの標準的な場合は合計4回(初回3回、追加1回)の接種になります。ちょうどヒブ、四種混合(DPT-IPV)、ロタウイルス、B型肝炎などの時期と重なるので、同時接種がお勧めです。不活化ワクチンなので、接種後は1週間あければ別のワクチンは接種できます。

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