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ウイルス感染による病気
おたふくかぜ
2017/10/05

 おたふくかぜは医学的には「流行性耳下腺炎」や「ムンプス」とも呼ばれています。両方の耳下腺や顎下腺が腫れて、「お多福」のように丸い顔になってしまうのでおたふくかぜと言われるようになったのでしょう。病名としては可愛らしい呼称ですね。

 おたふくかぜはムンプスウイルスの飛沫感染によって起こります。4~5歳に多くみられます。潜伏期間は2~3週間です。症状は耳の下方にある耳下腺やあごにある顎下腺が腫れてきます。まず、片方の耳下腺が腫れてから2~3日後に反対側が腫れることが多いようです。片方だけしか腫れない人もいますが、それでも免疫はきちんとつきます。時々、片方しか腫れないので、もう一回かかると勘違いされることがありますが、おたふくかぜには一回しかかかりません。

 腫れて痛みが強い子どもさんもいれば、あまり痛がらなくて平気な子どもさんもいます。腫れは大体1週間くらいでおちついてきます。ウイルスが原因なので効く薬はありません。自然に治るのを待ちます。学校は腫れが消失するまではお休みして下さい。

 合併症として無菌性髄膜炎と難聴があります。無菌性髄膜炎の発生頻度は1~2%で、高熱、頭痛、嘔吐が出てきます。症状が強い場合は入院することもありますが、治癒していきます。また、難聴も比較的頻度が高く約1000人に1人の割合で発生しています。多くは片方だけですが、まれに両方に重い聴力の障害が残ることもあります。難聴をきたすと回復しないので、とてもいやな合併症です。

 おたふくかぜと似ている病気に「反復性耳下腺炎」があります。片方の耳下腺が腫れますが、1~2日でもとに戻ります。反復性という病名のように何回も繰り返しますが、心配のない病気です。もちろん、登校してもかまいません。時々、「おたふくかぜに2~3回かかった」という話をききますが、この病気がまぎれこんでいると思われます。おたふくかぜの耳下腺の腫れはもっと長く続きます。

 何回も耳下腺が腫れたことがあり、おたふくかぜになったかどうかわからない時には、血液検査で抗体を調べてみましょう。抗体をもっていれば、後に耳下腺がまた腫れてもおたふくかぜが原因ではないので、安心して登校できます。

 予防はおたふくかぜのワクチンの接種です。1歳を過ぎれば接種することができます。1歳と年長児での2回の接種が推奨されています。

 また、おたふくかぜは幼少時にはかかっても無症状のことがあります(不顕性感染)。「4歳の兄がかかって顔がまんまるになった時に1歳の弟は何も症状がありませんでした。後で弟の血液検査をするとおたふくかぜの抗体があって、びっくりしました」という具合です。「おたふくかぜにかかったことがない」と言われた大人の人で検査をすると、半分くらいの人は抗体をもっています。きっと小さい頃に不顕性感染をしていたと思われます。

 大人がかかると症状が強く、睾丸炎、卵巣炎や膵炎を合併することがあります。小学生以上でかかったかどうかわからない場合は、抗体の検査を受けてみてください。もし、抗体がない時はワクチンを受けたほうがいいでしょう。

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