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小児科
病気のはなし
57. 細菌とウィルス
2014年3月
 小児には様々な病気がありますが、日常診療でみられる病気の中では「感染症」が大半を占めます。「熱があります」「咳や鼻水がでます」「嘔吐、下痢があります」などはほとんどが感染による病気です。「感染症」というのは、病原微生物が外からからだの中に入り込んで増殖して不都合な症状を起こしたということです。
 病原微生物の中では、細菌とウィルスが主な感染源になります。どちらも目には見えません。細菌の大きさは1000分の1〜5ミリくらいなので光学顕微鏡で見ることができます。一方、ウィルスはさらに小さく、細菌の10分の1から100分の1で光学顕微鏡では見えず、電子顕微鏡でのみ観察できます。細菌とウィルスの違いで特徴的なのは、細菌は単細胞生物なので、栄養、温度、湿度などの条件が良ければ自己増殖する能力がありますが、ウィルスは細胞ではなく、殻の中に遺伝子が入っているだけで、自己増殖する能力はなく、生きた他の生物の細胞に入り込むことでのみ増殖することができます。
 抗生物質は細菌による感染症に対して有効です。細菌の細胞の壁を壊して死滅させたり、細菌に必要な蛋白質の合成を阻害して増殖を抑える働きがあります。ウィルスは細胞ではないので、抗生物質は効きません。ごく一部のウィルス(水痘・帯状疱疹ウィルス、インフルエンザウィルス)には抗ウィルス剤があります。
 さて、細菌は一般に「ばいきん」と呼ばれています。代表的な細菌をあげてみましょう。溶連菌は咽頭炎、扁桃炎を起こします。インフルエンザ菌や肺炎球菌は気管支炎、中耳炎、肺炎、髄膜炎などの原因になります。黄色ブドウ球菌はとびひ、食中毒を起こします。大腸菌は尿路感染症や感染性胃腸炎、サルモネラやキャンピロバクターは感染性胃腸炎、百日咳菌は百日咳、結核菌は肺結核など。それぞれの菌に有効な抗生物質は種類が違うので、原因菌を推測しながら選んで治療することになります。
 では、ウィルスにはどんなものがあるでしょう。一番有名なのは、毎年冬に流行するインフルエンザウィルスですね。ノロウィルスによる感染性胃腸炎もよくマスコミで話題になっています。ロタウィルスも乳幼児の胃腸炎の原因として重要です。麻しんウィルスによる麻しん(はしか)、風しんウィルスによる風しん、ムンプスウィルスによるおたふくかぜ、水痘・帯状疱疹ウィルスによる水痘、これらはワクチンがあるので予防接種をうけて絶対にかからないように気をつけたいものです。アデノウィルスによる咽頭扁桃炎や結膜炎や感染性胃腸炎、RSウィルスによる上気道炎・急性細気管支炎、コクサッキーウィルスによる手足口病、パルボウィルスによるリンゴ病、EBウィルスによる伝染性単核球症などなど…たくさんのウィルスによる感染症があります。
 しかし、実際の診療の中では、細菌感染かウィルス感染かで迷うこともしばしばあります。初診では何に感染しているかわからないことも多いのです。ウィルス感染と思っていても、経過中に細菌の感染が加わってくることもあります。熱が長く続くときに「血液検査をして白血球とCRPをみましょう」と言われることがあるかと思います。今後の治療方針を立てる際に、どちらの感染かをしぼり込む検査の情報が重要になってきます。
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