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小児科
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56. 小児のネフローゼ症候群
2014年2月
 ネフローゼ症候群では、腎臓の糸球体(尿をつくるところ)に何らかの障害が生じて血液中の蛋白が多量に尿中に出てしまいます。その結果、血液中の蛋白が減って、全身にむくみ(浮腫)が出現してきます。
 ネフローゼ症候群には、原因がはっきりしない「特発性(一次性)ネフローゼ症候群」と基礎疾患や薬物が原因である「二次性ネフローゼ症候群」に分かれます。小児に多くみられるのは「特発性ネフローゼ症候群」です。二次性ネフローゼ症候群は、糖尿病、紫斑病、膠原病などが原因となっています。
 特発性ネフローゼ症候群の好発年齢は2〜6歳で、男女比は2:1と男の子に多くみられます。日本では1年間におよそ1300人の子どもに発症しています(10万人に5人の割合です)。原因はまだはっきりとしていませんが、なんらかの免疫異常が示唆されています。
 症状は「なんとなく元気がない」、「まぶたが腫れぼったいかんじ」で気がつかれることが多いです。むくみが強くなると顔だけでなく、下肢や男の子では陰のうも腫れてきます。足部にもむくみがくるので、いつも履いている靴がきつくなることもあります。体に水分が貯留してくるので、体重が急激に1〜2kgも増えることもあります。また、おしっこの量も少なくなってきます。さらに進行すると、おなかや胸に水が溜まり、嘔吐、下痢、呼吸困難になることもあります。
 尿検査で多量の蛋白尿、血液検査で低蛋白血症、高脂血症を認めれば、ネフローゼ症候群と診断されます。
 初めて診断された時は入院治療が必要です。基本はステロイド剤(プレドニゾロン)による治療を行います。かなり多い量から開始して、4週間にわたって連日投与します。9割以上はステロイドに反応して、大体2〜3週間で蛋白尿は消失してきます。この状態を寛解と呼んでいます。その後、ステロイドの量を減量し、連日から隔日投与にして中止していきます。
 蛋白尿が消失してくれば、ステロイドに反応したということで、ひと安心できます。しかし、寛解というのは治癒ではありません。寛解になったお子さんの約7割に再発を認めます。再発時には通院で治療ができます。再びステロイドの治療を開始して、尿検査をしながら減量、中止をしていきます。頻回に再発する場合やステロイド依存性(ステロイドが中止できない)の場合は、免疫抑制剤を使用することもあります。
 再発を繰り返すことが多く、やっかいな病気ですが、思春期になる頃には再発しなくなりますので、根気よく病気と付き合っていくことが大切です。
 また、頻度は少ないですが、ステロイドを4週間以上投与しても効果がなく、蛋白尿が持続することがあります。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群といいます。この時は腎臓の組織検査を行います。組織検査で「糸球体硬化症」という病変を認めた場合は、治りにくく将来腎不全に進行することがあるので、さらに注意深い経過観察が重要です。
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