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小児科
病気のはなし
51. 小児の蛋白尿
2013年6月
 腎臓は血液を濾過し、老廃物を取り除くフィルターのような役割をしています。濾過するところは「糸球体」と呼ばれ、1個の腎臓に約100万個あります。糸球体は毛細血管が毛糸玉のようになっており、ここに血液が流れてきて濾過され、原尿がつくられます。原尿には老廃物とともにまだ、体に必要な成分も含まれています。原尿は次に尿細管という管を流れていきますが、体に必要な成分はここで再吸収されていきます。糸球体で濾過されたもののうち99%は再吸収されます。わずか1%が最終的に尿として排出されます。一日にすると、約150Lの原尿が作られますが、尿になるのは1.5Lです。
 さて、正常な状態では、血液中の蛋白は糸球体からほとんど濾過されません。わずかにもれてきた蛋白も尿細管で再吸収されます。この糸球体に病変が起こると多量の蛋白が濾過されてきます。多すぎて尿細管での再吸収が追いつかなくなると、尿に蛋白が出てきます。蛋白尿がある場合には、まずこの糸球体の病変(慢性糸球体腎炎)を疑います。糸球体腎炎では、同時に赤血球も濾過されて血尿もあることが多くなっています。また、糸球体は正常でも尿細管に病変があると、蛋白の再吸収ができずに蛋白尿を認めます。
 蛋白尿を認める小児に多い病気にネフロ−ゼ症候群があります。この病気では大量の蛋白が尿に出るため、低蛋白血症をきたして体にむくみが出てきます。まぶたが腫れぼったくなり、足が太くなってきます。
 一方、蛋白尿を認めても問題のない場合もあります。起立性蛋白尿(体位性蛋白尿)と呼ばれ、腎臓を圧迫する前弯姿勢(腰を後ろに反る)を10分くらい続けると、尿に蛋白が出てきますが、安静に臥床すると消失してきます。また、高熱時にも一過性に蛋白尿を認めます。
 尿検査をする際には、前夜寝る前には排尿をして、翌朝に一番の尿を取って調べるのがいいと思います。病院を受診した際に採った尿では体を動かしている影響があるので、軽度の蛋白尿があっても病的かどうか判断できません。問題のない蛋白尿であることも多いので、よけいな心配は避けたほうが賢明です。
 学校検尿や偶然に検尿をして蛋白尿が指摘された場合、腎炎のこともありますが、全く心配のない一過性の蛋白尿のこともあります。蛋白尿には様々な病態があり、また、はっきりと診断がつかないで経過をみる場合もあると思います。蛋白尿があると言われたら、まずは、正確に早朝尿での検尿を2〜3回してもらうことをおすすめします。
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