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小児科
病気のはなし
36. 川崎病
2011年11月
 川崎病は主に4歳以下の乳幼児に発症する病気で、全身の血管に炎症が起こります。特に1歳前後に好発します。1967年に初めて報告されてから40年以上経ちましたが、まだ原因はわかっていません。何らかの感染(ウィルス?細菌?)をきっかけとして、遺伝的素因も関与し、免疫反応により発症すると考えられています。全国調査によると患者数は2009年では約1万人、2010年では約12,000人と報告されています。罹患率は2010年では、0〜4歳の人口10万対239.6で過去最高になっていました。近年、少しずつ報告患者数が増加してきています。
 症状は特徴的で、以下のように6つの主要な症状がみられます。
(1)発熱(5日以上持続)
(2)充血した眼 
(3)真っ赤な唇、口の中 
(4)いろんな形の発疹 
(5)手足がテカテカに腫れて赤い 
(6)首のリンパ節の腫れ
 この6つの主要な症状のうち5つ以上がそろえば川崎病と診断します。これらの症状のいくつかが同時に出ることもありますが、初発症状の多くは発熱です。発熱のみでは診断は困難ですが、翌日か2〜3日して、唇が赤くなったり、発疹が出てくると川崎病の疑いが出てきます。
 6つの症状には入っていませんが、参考所見としてBCG接種部位の発赤・腫脹を認めることがあります。BCGを接種して1年後くらいのお子さんにみられますが、これはかなり特徴的な所見なので、川崎病を疑ったときは必ずBCG接種部位をみるようにしています。
 川崎病と診断された時、あるいは疑いのある場合は、入院して血液検査や心臓のエコー検査などをします。治療は免疫グロブリンという血液製剤の大量点滴静注投与、アスピリンの内服などを行います。
 この病気の経過で重要なのが、心臓の筋肉に酸素を送る冠動脈に炎症が起きて、拡張や瘤(コブのようなふくらみ)を合併してくることです。免疫グロブリンの治療が行われなかった時代には、冠動脈病変は25〜30%にみとめていました。最近は早い時期(発熱して5日以内)に診断がなされ、早期に治療が開始されるようになったこと。また、免疫グロブリンの大量療法が行われるようになってから、以前に比べると心臓の合併症の頻度は3〜5%と著しく減ってきました。
 覚えておいてほしいことがあります。回復したあとの生ワクチン(麻しん・風しん、おたふくかぜ、水痘)の予防接種は6か月後に受けるようにして下さい。大量に免疫グロブリンを投与されていますので、ワクチンを受けてもグロブリンの中の抗体で中和されて、予防接種の効果がなくなります。生ワクチンのBCG、ポリオと不活化ワクチン(三種混合、インフルエンザなど)はグロブリンの影響を受けないので、3か月くらい経ったら受けてもいいと考えられています。よく主治医と相談してください。
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