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24. 小児用肺炎球菌ワクチンについて
2010年3月
 小児用肺炎球菌ワクチン(商品名 プレベナー)は肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの重症感染症を予防するものですが、2010年2月末より日本でも接種ができるようになりました。
 肺炎球菌はごくありふれた菌で、ふつうに健康なヒトの鼻やのどにいます。菌がからだにいるだけなら問題はありませんが、抵抗力が弱まった時などに病気を引き起こします。特に乳幼児では肺炎球菌に対して免疫がないので、中耳炎、気管支炎、肺炎、菌血症、髄膜炎などの病気になりやすく、インフルエンザ菌と並んで小児の細菌感染症の代表的な原因菌になっています。
 この中でも特に細菌性髄膜炎は重篤な病気です。日本では年間に約200名の子どもが発症し、予後が悪く約10%が亡くなり、30〜40%の子どもには重い後遺症(水頭症、てんかん、難聴など)が残ります。症状は発熱、嘔吐、けいれんなどです。発熱だけのこともあり最初は「かぜでしょう」と診断されることもよくあります。電撃型髄膜炎と言われるタイプでは発症して1日以内に亡くなることもあります。最初の診察では確定診断が困難で、あっという間に悪化していくおそろしい病気です。
 また、肺炎球菌は中耳炎の主な原因菌です。乳幼児では耳管を通して鼻の奥の細菌が中耳に感染しやすい特徴があります。カゼをひいて鼻汁が出るとすぐに中耳炎を起こすお子さんも多くみられます。抗生剤が効きにくい肺炎球菌(耐性菌)も増えて、治療が難渋する中耳炎が問題になっています。このワクチンは肺炎球菌による中耳炎の予防にも効果があります。保育園などの集団生活に入る前に接種をすませておいて、難治性中耳炎にかからないようにしておきたいものです。
 海外では、2000年に米国で接種が開始されました。ワクチン接種の導入後には肺炎球菌による髄膜炎の発症が90%以上も減少しており、ワクチンの効果は絶大です。現在、世界では約100か国で使用され、このうち45か国においては定期接種になっています。接種費用が高いので、日本でも早く定期接種になることが望まれます。
 接種対象は生後2か月以上〜9歳以下です。接種開始の年齢によって接種回数は1〜4回と違いますが、標準的な場合は合計4回(初回3回、追加1回)の接種になります。ちょうど三種混合ワクチンの時期と重なっていますが、同時接種も可能です。
 2008年から接種しているヒブワクチン(インフルエンザ菌b型のワクチン)とともに肺炎球菌ワクチンも接種することで、細菌性髄膜炎の90%は予防できます。髄膜炎の原因菌のうちインフルエンザ菌が約60%、肺炎球菌が約30%を占めています。現在のところこの二つのワクチンは任意接種で(ヒブワクチンは一部助成あり)、ご家庭に経済的負担はかかりますが、ぜひお子さんの予防接種のスケジュールに組み込んでほしいと願っています。

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