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日常的な疾患
野球肘

Q. スポーツ少年団で野球をしています。キャッチャーをしていますが、1週間前の試合後
から右肘が痛くなって遠投ができなくなりました。(11歳 男子)

 

A. 発育期には、骨端線がある、軟骨が分厚い、筋力が弱いなど構造的な弱点があるので、練習時間が長い場合やピッチャー・キャッチャーなど投球回数の多い子供では、投げ過ぎによる肘の投球障害(野球肘)を来してしまいます。投球動作の加速時に肘には外反するストレスが加わります。野球肘は主として肘の内側型と外側型の2種類の障害があります。
 内側型は、外反ストレスで側副靱帯による牽引力とボールを握って手首のスナップ動作を行う前腕筋の牽引力も加わって、骨端線が離開し、骨端核が変形します。約2ヶ月間、ピッチングとバッティングを控えていると自然に痛みがなくなり復帰できます。
 外側型は、内側型とは逆に関節面に圧迫力と剪断力が加わるため、軟骨損傷とその下の骨に血行障害を来してしまいます。痛みを我慢して投球を続けていくと、変形や遊離体により可動域制限(伸ばせない、曲がらない)が残ります。外側型では、骨軟骨の修復のためにさらに長期間の運動制限が必要になりますので、早期発見と早期治療が望まれます。